グループ内法人間の中小法人特例の不適用について教えてください。

中小法人(資本金の額又は出資金の額が1億円以下の法人)にかかる次の制度は、大法人(資本金の額もしくは出資金の額が5億円以上の法人、相互会社又は外国相互会社、法人課税信託の受託法人)との間に大法人による完全支配関係がある法人については適用されないこととなりました。

(1) 法人税の軽減税率(法法66、措法42の3の2)
(2) 貸倒引当金の法定繰入率(措法57の10)
(3) 欠損金の繰戻し還付制度(法法80、措法66の13)
(4) 特定同族会社の特別税率の不適用(法法67(1))
(5) 交際費の損金不参入制度における定額控除制度(措法61の4)

 これらの中小法人の優遇制度は、「中小企業は、財務基盤も弱く資金調達能力に対する税制上の一定の配慮が必要である」ことから政策上の配慮から設けたものです。これに対して大法人の子会社である中小法人は、グループ法人税制の導入により、大法人の分社化した一つの事業部門という位置づけから独立した他の中小法人と同等の恩典を与える理由に乏しいため、中小法人の優遇制度を適用しないこととされました。
 なお、資本金・出資金5億円以上の基準とされたのは、税法上の大法人では社会通念上の大企業より広範すぎるため、会計監査人監査が義務付けられている会社法上の大会社の定義に準じたためです。なお会社法上の大会社は資本金5億円以上又は負債の額が200億円以上の株式会社とされていますが、本規定では資本金又は出資金の額のみで判定されることとなります。
 大法人による完全支配関係とは大法人が普通法人の発行済株式等のすべてを直接又は間接に保有する関係をいうので、大法人の孫会社、曾孫会社も大法人による完全支配関係のある法人に含まれ、中小法人の特例を受けられないこととなります(法基通16-5-1)。
 なお中小法人の特例の制限における法人には外国法人も含まれているため、資本金又は出資金の額が5億円以上である外国法人との間に法人による完全支配関係のある中小法人についても、中小法人の特例が適用されないこととなります。